今回も百眼(ひゃくまなこ)の秀も登場!

ディアブロ・トマス(トマスおじさん)が開ける
「パンドラの箱」第二幕

前回の第一幕より、大分時間が経ってからの第二幕ですが、さすがにトマスおじさんもコスプレ・ステージで引っ張りだこで少々お疲れの模様です。そんな訳なので大目に見ておくんなまし!
さて、今回の第二幕は“米内光政エピソード”の続編なのですが、なかなか興味深いお話ではありますナ。その内容は観てのお楽しみでございます。では、始まり、始まり、とくとご覧あれ・・・・!

(箱の蓋をス~ッと開けて、小さい声でイ~ッヒッヒッヒと薄気味悪い薄笑いを浮かべながらノソ~ッとディアブロ・トマスのご登場)

ディアブロ・トマス:

おい、百眼の秀よ、久しぶりじゃのう。

百眼の秀:

こんちは、トマスのおっさん、それにしても今回は随分“品”の良いご登場の仕方だよな、前回とはエライ違いでっせ。

ディアブロ・トマス:

おう、やはりワン・パタ~ンでは面白くないじゃろうて、それに、すぐ飽きられると思ってな。

百眼の秀:

なるほど、なにも考えてないようで、少しは考えてたりするわけか。

ディアブロ・トマス:

お前は相変わらず顔だけではなく口も悪いのう。前回お約束したのはご破算にしちゃうぞなもし。

百眼の秀:

ちょ、ちょっと待った!そんなこと言わないで教えてくれよ。

ディアブロ・トマス:

どうしようかな~、おじさんはご機嫌そこねちゃったもんね。

百眼の秀:

悪い悪い、あやまるからさ、ゆるしてくれよ。ホントに反省してるんだからさ。

ディアブロ・トマス:

う~ん、じゃあ教えてやるか、ただし今回は一つだけってことにするわい。

百眼の秀:

え~っ、そりゃ~ないよ、全部教えてくれよ。

ディアブロ・トマス:

聞き分けがないのう、最近ワシも忙しいのじゃよ、ホレ、出演するべき舞台が一気に増えたじゃろう、次の舞台が待っちょるのじゃよ。今回は一つで我慢しんしゃい、次もあるじゃろうが。

百眼の秀:

しょうがね~な~、じゃあ今回は一つで我慢すっからさ~、次回はたのんまっせ。

ディアブロ・トマス:

よしよし、いい子じゃのう、苦るしゅうない、教えて進ぜようぞ。ところで何が聞きたいかな。

百眼の秀:

そりゃ~、やっぱしアレですよ、アレ、米内光政の彼女ですよ。

ディアブロ・トマス:

彼女とはいささか意味合いが違うんじゃが、まっ、いいか、その女はじゃな、米内が1915年2月から1917年4月までに約2年間ロシアのサンクトペテルブルグに勤務したときに、一人のロシア女に引っかかったのじゃよ。その女はナターシャというてナ、それはそれは美しい女性だったそうな。当初から暫くの間は米内は彼女のことをフランス人と間違えておったらしいぞ。最初にフランス語でボンジュールとでも話かけられたのかのう。もっとも交際して暫くたってから、途中でロシア人と気が付いたらしいがな、それでじゃな、その後1920年6月から1922年12月までワルシャワやベルリンに2年半も駐在したんじゃが、この時は米内の身の回りの世話は全てこの女がやっておるのじゃ。そんでじゃなこの頃米内はワルシャワに事務所を構えておったのよ。

百眼の秀:

ほえ~っ、それって初めて聞きましたぜ。ビックリしたな~もう!

ディアブロ・トマス:

な~に、ワシだって初めて披露する話じゃよ。

百眼の秀:

しかし、こりゃ~驚き、桃の木、山椒の木ってやつですね~。もう口あんぐりってやつですよ。それで?

ディアブロ・トマス:

この2人の間には可愛い一人の女の子まで生まれておるんよ。

百眼の秀:

ひぇ~つ、本当かよ?で、その子の名前は?

ディアブロ・トマス:

なんでもミーシャとかいうらしいぞヨ。子供のころ、日本に来て米内とも会っておるがな。

百眼の秀:

へ~っ、そんでその後はどうなったんすかね?

ディアブロ・トマス:

おっと、そろそろ時間じゃな、次の舞台が待っておるのじゃ。なんせ、今のワシは超売れっ子でな、文字どうり八面六臂の忙しさなんじゃよ。

百眼の秀:

トマスのおっさん勘弁してよ、いい処なのに~、意地悪なんだから~。

ディアブロ・トマス:

悪い悪い、そろそろ次の舞台が始まるわい、じゃあな、許してくんなまし、また会おうぞ。オット、それではもう一つだけ、教えてつかわそう。この米内とナターシャの間にできたミーシャは子供のころ日本に来ており、京都で米内と会っておるんじゃよ。

百眼の秀:

ほ~っ日本で会ったんすか、それはそれはビックリ仰天だぜ、それで、その後は?

ディアブロ・トマス:

今日は本当にここまでじゃ。もう行くけんね。

百眼の秀:

わかった、わかった、トマスのおっさん有難う。

ディアブロ・トマス:

おう、ちょっとばかり頭と気分を切り替えて次の舞台にのぞまなくっちゃナ。舞台設定が変わるんじゃからして気持ちのほうも切り替えなければならんのじゃわい。最近少しばかり、頭がこんがらがってきおったのう、ふ~っ、先が思いやられてきたもんね、八面六臂などと言葉で言うのは簡単じゃが実際に演じる本人からすれば結構きついんだもんね。

百眼の秀:

なんだか額に脂汗なんだか、冷や汗なんだかが浮いてますぜ。

ディアブロ・トマス:

こりゃ~最後は体力勝負になりそうじゃのう。マッ、気合いを入れなおして頑張るとするか。それでは次の舞台へ行くぞなもし(気を取り直して)。

百眼の秀:

いってらっしゃい。道中御無事で。

ディアブロ・トマス:

オウ、ありがとよ、お前さんもな。

(イッヒッヒと薄笑いしながら、おもむろに蓋を開けてダンボール製のパンドラの箱の中にノッソリと戻るディアブロ・トマスなのでした。)

なるほどネ。それにしても、「旧日本帝国海軍」の軍人さんといえば凛々しい佇まいで、“ビシッ”としたイメージがありましたが、所詮は雄(オス)なんですネ~。お美しいご婦人方を目の前にしては下半身もおつむも緩みっぱなしという事ですかネ。ま~、この時代の軍人さん達もこんなもんですから、ましてや政治家や官僚の方々もご同様でしょうネ。殿方の習性としては分からなくもないんですが・・・・。
ということはこれらのDNAは現在の政治家や官僚の方々にもバッチリ受け継がれていると見ても差し支えないでしょうナ(察しの鋭い皆様には、何を言いたいかお分かりですネ)。 それにしても、いろんな意味で時代を超えてこの国は心配ですナ~。まッ、これからもディアブロ・トマス(トマスおじさん)には、ドンドンと「パンドラの箱」を開けていただいて、「旧日本帝国陸・海軍」、時代を超越した政治家や官僚等に巣食う魑魅魍魎・百鬼夜行をズラズラと引きずり出してもらいましょうかネ。では、また次幕でお会いいたしませう・・・・・。